2021/04/04動物とのつきあい

田舎暮らし

下記の動画の台本の書き起こしに近いものです。
動画では映像や写真も合わせていますが、
動画は時間もかかるため文字でも伝わるようにブログにしました。

都会育ちの自分では、考えることが出来なかった内容で、
これからの世の中でも、
人としてどう行動していくべきかを考えられる意味のある内容だとは思っています。

ブログ記事の場合、下の動画を飛ばして下に行ってもらえたらと思います。

【田舎暮らし#2】動物とのつきあい【自然農】

 

  • 動物とのつきあい

現在とある山の中の田舎に住んでいて、動物は生活と直結するほどものすごい身近な存在。
自然との共存の場所だけど、とんでもなく高齢化が進み、
平均年齢は60歳以上で、30代も殆どおらず、その下の若い世代も都会にいってしまい、
まともにここの地域の存続が難しいと感じている人達が多い。

その中で動物と付き合うということはどのようなことなのか。

 

 

  • 天敵

例えば、ゆず農家やしいたけ農家が身近にいて、よく聞くのが、鹿、猪、猿。
畑だとうさぎや、モグラなどもあるけど、山はこの三匹の被害が多い。

ゆずなんかは、鹿に少しでも食べられたら売り物にならなくなるはもちろん、
食べられた植物は、その後成長を妨げられるかあるいは枯死してしまう。
唾液が厄介。
食べるなら満足に食べてほしいけど、もちろん人間様の考えは通じるわけもなく、
しいたけなんかは全部食べないで、傘を半分かじって、半分残し。

以前雪が降ったときは、手頃な食べ物が雪で隠れてしまったのか、かなり鹿の被害が有った。

そして、猿。
猿はしいたけを食べる時に、傘を食べない。
軸の部分だけ食べて、あと傘はポイ。
わたしたち人間ははそこまで軸食べないけど、
実は指で細かく咲いて、油で炒めて塩コショウやったら、
酒のあてに最高な美味しい部位だったりする。
そんな感じで野生動物はうまいもんわかってる。

猪なんかは、みみずも芋も好物なため、道端を掘り起こしたりする。
畑やら、田んぼに入られたらもう大変。
匂いもきついけど、寄生虫やらダニやらを落とすのが大変。
猪は壁蝨落としで結構遊ぶ感じで、
体をグリグリ地面に押し付けて穴を作るようにダニ落としをする。
そしてその穴には水が貯まるので、他の野生の小動物が水を飲みに来てしまったり。
ダニを落とした汚い場所のようで、憩いの場のようになる。
不思議。

そんな感じで、動物は、野菜を作り商売をする人間にとって、まさに天敵。

 

 

  • なぜこうなってしまったのか?

地元の人曰く昔はそこまで人里に来る動物は多くなかったらしい。

一時期沢蟹が1匹20円とかで売れる事になった時があり、
こぞって人間が乱獲したそうで。

山の中では至るところで水が流れていて、
水場にはどこにでも沢蟹が居たのに、それが消えてしまった。
それを食べていた猪は食料がなくなり、餌を求めて人里に来てしまったとか。

結局人間がお金のために、動物に対してのシェアの心を失い、
人間が自然にあるものを自分のものと意識したところから、バランスは崩れていった。

そして一度崩れたバランスは戻りにくい。

彼らの餌を取り上げたのをそのまま取ることをやめ、山に餌を戻せばいい。
とかそういう問題でもない。

 

 

  • うまい食べ物

人間の食べるものは、本当に野生動物から比べると恵まれている。
どんぐりはブナ科クリ属で、縄文時代人間も食べていたと言われているくらいで
デンプンが主成分で栄養のある食べ物。

ですが、かじってみたらわかるのですが、アク、エグみがすごい。
柿にも含まれているタンニンがその正体。
でも野生動物のくまやリス、猪や昆虫の幼虫なども、こぞって主食として食べている。
こんなエグみのある食べ物が、主食。

つまり自然界ってそんなうまいものでもないということ。

それに比べてわたしたちの食べているものは、
野菜や果物にしても、野生のものとは違い、交配を繰り返し、
とてつもない美味しいものに仕上げている。

よく野生動物に人間の食べるものあげちゃだめだというのはそういうことで、
野生動物に人間の食べ物を与えてしまうと、もう戻れなくなってしまうから。

一度人間の食べるもの食べちゃうと、その味覚えて戻れなくなる。
桁違いに美味しいから。

自然のものってべらぼうにウメェ!ってものあるけど、
そんなに全部が全部うまいもんだらけじゃない。

そう考えたら人里来たら何でもうまい。

野生の動物に、人里の食べ物の味を覚えさせる行為は酷。

人里ってうまいもんしかないのに
自分の住むテリトリーってそんなうまくねぇじゃん。と認識してしまう。

んで、美味しいもん、そっち(人里には)沢山あるのに
金のために俺らの食ってるうまいもんまでとってくの?

って意識になると思う。
というか俺が動物だったら、そう思うし、
少しぐらいいいじゃんって氣分で人里に行くだろうな。

んで、厄介者扱いされる。

 

 

  • シェアの心

わたしたち人間は、
動物のかじったものだったり、獣臭い食べ物は買わないし、

虫食いがある野菜ですら売れません。
お金マンセーの価値観だと、分け与える感じというより、
独占せないけない感じになるため、バランスがくずれます。

そうすると、野生動物から俺らの食べ物をまもろう!という意識になります。

といっても、地元の方はもちろんシェアの心は持っています。
去年柿があった時は、自分で必要ないものは、鳥のために残しておいてあげようとか。言われたし。

それとかミツバチを飼う時は、スズメバチから守ってあげる代わりに、
はちみつを少しもらったりとか。
これも取り過ぎたらハチが越冬できずに全滅したりしてしまうためと理由もあるけど、
彼らのおかげで受粉できたりもあり、共生の形も見える。

今設定されている世の中において、農業だけで生きることを考えると、
お金のためにシェアでなく、独占意識から、「守るもの」という意識にならざるをえない。

野生動物とは共生したい氣持ちがあるが、様々な障害が出てくる。

 

 

  • 狩る

そこで罠を仕掛けることになる。

地元では昔よりイノシシや鹿が増えたとのことで、猟師さんが罠をしかける。
なかよくしている猟師さんがいるけど、
85歳で今でも山の中で1日で16000歩とか歩いてる方。
山の中で一緒にあることがあるんですけど僕より全然歩くスピード速い。
感覚原付き乗ってんじゃないかくらい。

今の地域だとだいたい彼一人で狩りやってくれてるんですが、
一年間で100匹は取るみたいで。
でも地域から出るお金は1匹1万円とからしいです。
やっすいすよね、そりゃ生活のために狩りを沢山しないといけないですよね。

罠見せてもらった罠は足を捉えるワイヤー。
かすかな足跡を見極め、獣道に獣の行動を予測して設置します。
彼ら猟師と山の中を歩くと、僕では見えない山の中の情報を一瞬で見つけてくる。

洞察力が本当にすごい高い。
地元の人は雲の動きで天気見てますからね。

こんな感じで情報を見極め、此処というところに
人の匂いを残さないようにして罠を仕掛けていく。

相手にも情報を与えないように。

んで後日罠をチェックしていくと。

ひっかかったらワイヤーが足にひっかかって逃げられなくなる。
見つけるのが遅いと、暴れてしまい、肉が焼けて食べることもできなくなります。
そのため、猟師さんはしっかり食べて供養してあげるためにも短いスパンでチェックするようにしているとのことでした。

 

 

  • 命に感謝

罠にかかった猪を、見つけたら、銃で仕留めて、
喉を切って締めてあげる。
残酷なようですが、人が生きるために、こういうことが日々行われています。

肉を食べないから関係ない。とかそういう話でなく、
野菜を食べるためにも、こういうことが毎日行われています。

だからご飯を食べる時はいただきますなんです。
野菜だろうが、肉だろうが、地球全ての命が巡り巡ってその食べ物が目の前にあります。
神道の考え方でいうと、葉っぱ一枚でも神様のものなので、
神様に対しても戴きますでもあるらしいのですが。

 

最近感じたのは、
ながらで食事をしているのは人間くらいなのではないかと。
自然をみていると、どの生き物も食べ物に対して、
真正面から向き合い、命と一対一で向き合っているのかなと感じました。
そのため、それに氣がついてからは、
命に対しての尊さを込め、食事に対してまっすぐ向き合うようにしました。

わたしは山の中で、猪の解体もしました。
山で取れた猪や鹿は、さばいて、地元の人に配ります。
内臓開いていた時に温かいし不思議な気持ちになりました。

横隔膜って知ってはいたけどここにあるんだ。とか
腸ってこういう形で付いてるんだ。とか
まんま人間も同じだもんな。
そう考えたら、違う形なようで、兄弟なのかもしれないなって感じがしました。

野菜や果物を作っていきるため、罠を仕掛け、目の前で罠にかかった猪を〆て、その後捌く。

一度体験しておこうと、山で罠でとれた猪や鹿も食べて。
本当にありがたいなぁと。感じることが出来ました。

あと住んでるところの近くで、ずっと小屋の中で買われれいる牛もいるんすよね。
食肉で。
地産地消な感じです。
地元の人に聞いたんですけど、出荷される時、彼らってすごく涙流すらしいんですよね。
もうわかってるんでしょうね。

生まれたときから、どうなるのか決められてる人生もあるってことなんすよね。
外の世界も知らないで、一生が終わる。

こちらに来て野生だったり、食肉で飼われてたり、

普通にペットで飼われてたり、動物をみて、日々感じることはあります。

 

 

  • 何が出来るか考えている

すべてを言葉には出来ないけど、
もっと優しい気持ちで共生していける世の中になったらいいなぁと望んでいます。

ミミズ一匹でも、彼らが居なければ土も耕されないですからね。
すべての命は意味があって、それで地球が成り立っていますからね。

こういった話をすることで、
自分が見たことだったり、感じたことってのを
少なからずシェアできるのかなという氣持ちで書きました。

良い一日になりますように。

 

 

猪の狩りのシーンも交えて動画にしています。

【田舎暮らし#2】動物とのつきあい【自然農】

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